陶芸家 中園晋作さんの花器で楽しむ、5つの着回しコーデ
抽象画のような、淡い釉薬のグラデーション。一点ずつ釉薬を変えながら制作する陶芸家 中園晋作さんの花器には、いくつもの色のニュアンスが重なっています。
こんにちは、mor店主のとみこです。
中園さんとは2024年の春に出会い、うつわづくりに向き合う姿勢やお客さまとの関係性のつくり方など、思いが重なる部分も多く意気投合し、ご一緒することになりました。
印象に残っているのは、「うつわは料理の背景になる」という言葉。そして、つくるものは使い手のアイデアと掛け合わさって初めて完成する、という考え方です。「mor」ではその思いを受けて、うつわの体験会やオンラインでの販売を通して、中園さんの作品をお届けしています。
花器もきっと花の背景になれる。そんな思いから今回は、中園さんの花器を使った「5つの着回しコーデ」をご紹介します。
小さな一輪挿し、花と花器のバランス
小さめの一輪挿しに生けるときは、花器と花の高さを 1:1.5(もしくは 1:2)くらいにするのが、私の目安です。アセビのような枝ものは、小さく切って飾るとちょうどよくおさまります。
基本は一輪だけを潔く、余白を多めに。それが私の好きな飾り方です。ただ、小花や細い茎の花は、2本ほど合わせたほうが動きが出ることもあるので、お好みに合わせて楽しんでみてください。
1. 大ぶりの一輪は、すっと立てて

季節を問わず手に入るアンスリウムは、白からピンクへとゆるやかに色を移す一輪を選びました。この花器もよく見ると、白地のなかにほんのりとピンクの表情があり、花と釉薬が響き合うようになじみます。一輪、すっと立てるだけで完成です。
2. まっすぐな茎は、少し長めに

赤、オレンジ、紫、ピンク、白…どの色も好きで、一年を通してよく手に取るのはカラー。すっと伸びる茎が美しいので、このときは花器1に対して植物2くらいの比率にすると、バランスがよくおさまりました。花器の丸みが、カラーの直線をやわらかく受け止めてくれます。
3.枝ものは、小さく切って

葉ものの枝として花屋でよく見かけるアセビは、小さな一輪挿しにはひと枝を短く切って。一輪だけ飾ると、葉の連なりが影絵のように映ります。花器と枝のバランスは 1:1.5 くらいが心地よく感じました。
4. 小花は、こぼれるように

夏から秋にかけて出回るミシマサイコは、黄色の小花が霧のように広がる草花です。丸いフォルムの花器から、小さな花がこぼれるように広がります。ダイニングテーブルの端や、本を重ねた棚の上など、空間にひとつ添えるだけで、その一角がやわらかく華やぐ組み合わせです。
5. 細い茎は、曲線を生かして

秋に旬を迎えるサクシサ・プラテンシス。細くしなやかな茎の先に、紫の小さな花がひとつ。丸い花器に対して、茎をやや長めに、少し傾けて挿すと、自然な曲線が生まれて、花器の丸みとよく響き合います。小さな花ほど、花器がその色をやさしく引き立ててくれる気がします。
中園さんの花器は、どの一輪を挿しても、花の色をそっと引き立ててくれます。
「つくるものは、使い手のアイデアと掛け合わさって初めて完成する」。中園さんのその言葉を、花器やうつわを使うたびに思い出します。花屋で目にとまった一輪を、季節ごとに気軽に合わせてみてください。
中園さんの花器はすべて一点もの。ここでご紹介した花器そのものはオンラインストアには並んでいませんが、似た釉薬の表情や、近いかたちのものはこちらからご覧いただけます。
みなさまのお好きな花に合う、花器を見つけていただけたら嬉しく思います。
Profile
栃木県芳賀郡益子町を拠点に活動する陶芸家。美術系大学で陶芸と出会い、ろくろの面白さに魅せられ作家の道へ。お客さま一人ひとりと向き合い、予定調和ではない出会いから生まれる表現を追求。うつわブランド「palette pottery」もプロデュース。